
● AID(非配偶者間人工授精)の条件
ご主人の精子機能に問題がある場合、ご主人以外の男性の精液を使用する治療(非配偶者間人工授精=AID)があります。
あらゆる治療を行ったにもかかわらず、 妊娠が成立せず、それでもどうしても子どもが、ほしいというとき行われるものとして、 授精方法自体は、人工授精と同じですが、ご主人の精子を使用しないので、宗教上、倫理感などの微妙な問題を多く含んでいます。
日本では、慶応義塾大学病院が中心となって行っています。
この方法での妊娠希望者については、ご夫婦の意志を十分に確認したうえで、条件に合っているかどうかを厳格に判定します。
適応の条件としては、ご主人に絶対的な不妊原因がある場合です。無精子症、絶対的精子減少症、精子死滅症、パイプカット後の回復が期待できない場合などです。その他、ご主人に避けなければならない遺伝子がある場合、血液型の不適合、手術・薬剤による射精異常である場合などです(日本産婦人科学会のガイドラインがあります)。
● 精子の提供者
AID(非配偶者間人工授精)を実施することを決めたとき、最も重要と考えられるのは、 精子の提供者の選別です。
生まれてくる子どもが、そのご夫婦の子どもとして矛盾しないように、 血液型(ABOやRh)を合わせておかなくてはなりません。 さらに、遺伝性欠陥、肝炎、性病などの罹患、エイズなどの検査をして、 安全で妊娠させる能力が十分にある精液を提供できるかをチェックします クリニックによっては、喫煙者を除外することもあります。
また、精子提供者は、提供を受けた夫婦を知ることができず、生まれてきた子どもについて何の義務も権利も持つことはできません。
● 手続き
ご夫婦で来院され、医師の目の前で誓約書にサイン・押印し、戸籍謄本を提出します。
そして、ご夫婦それぞれの血液型の確認、精子提供者の血液型の確認など、詳細な確認をして、ご主人と同じ血液型をもつ提供者が選ばれます。
AID(非配偶者間人工授精)による妊娠の成功率は、 もともと元気な精子を使用するため、通常のAIH人工授精)より高く10%前後とされています。
2003年の日本産婦人科学会にて「代理懐胎に関する見解」が公表されました。
1. 代理母について
代理母として現在わが国で考えられる態様としては,子を望む不妊夫婦の受精卵を妻以外の女性の子宮に移植する場合(いわゆるホストマザー)と依頼者夫婦の夫の精子を妻以外の女性に人工授精する場合(いわゆるサロゲイトマザー)とがあります。前者が後者に比べ社会的許容度が高いことを示す調査は存在するが,両者とも倫理的・法律的・社会的・医学的な多くの問題をはらむ点で共通しています。
2. 代理母の是非について
代理母の実施は認められません。対価の授受の有無を問わず,日本産婦人科学会会員が代理母を望むもののために生殖補助医療を実施したり、その実施に関与してはなりません。また代理懐胎の斡旋を行ってもいけません。
以上の内容が宣言された根拠としては、
1)生まれてくる子の福祉を最優先するべきである
2)代理母は身体的危険性・精神的負担を伴う
3)家族関係を複雑にする
4)代理母契約は倫理的に社会全体が許容していると認められない
以上により、日本の大多数の産婦人科では代理母出産はできない事になります。
しかし、タレントの向井亜紀さんが問題提起し話題になったように、この治療に希望を託す夫婦も相当数いると考えられます。女性は子宮筋腫やがん治療による子宮全摘せざるをえない場合もあり、それらの人は日本で代理母出産のチャンスが無くなってしまっています。
では、代理母出産を希望する夫婦はどうしたらよいのでしょうか。実は方法があります。多くの希望者がアメリカや韓国に治療を受けに行っています。通常の不妊症治療を一通り試し、夫婦で相談の上、この選択肢が必要ならば、検討してみてください。